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アウラの商品群

ラダリング法

ラダリング法私見

ラダリング法を使ったのは、A社スポーツカーとB社スポーツカーの価値構造の違いを分析した時が最初だと思う。
「ライトウェウトスポーツカーがもつ価値構造を明確にし、次世代ライトウェイトスポーツカーのコンセプト開発に役立てる。」というのがテーマだった。
それぞれのオーナードライバー10人づつ20人に1on1インタビューを実施した。
最初は漠然と「ラダリング法を使ってみたい」という要望だったが、仕事が進む従ってクライアントの要望の内容がわかってきた。
いろいろ細かいことはおいて、コアになったのは「マーケ部門が提出するリサーチ結果に現場のエンジニアが納得しない。というより理解できない。」という問題であった。
膨大な予算と時間をかけたリサーチが「現場」では利用できない。双方にとって越えがたい壁となっていた。
双方が使う用語や概念の乖離などいろいろ検討したが、そういった問題ではないことは分かってきた。
最大の壁は「リサーチャーはデータの相関関係の発見を目的としているのに現場のエンジニアは因果関係がわからないと仕事に着手できない」ということであろうとなった。

そこで、ライトウェイトスポーツカーの価値と実際のスペックの「因果関係」をラダー状に表現するべくインタビューを設計した。
具体例でいうと、B社スポーツカーはフルオープンに対してA社スポーツカーはタルガトップという仕様であった。
この2つのスペック(仕様)の違いがどういった価値(構造)の違いを生むのかを分析しようとした。
分析結果が以下の図だが、大分デフォルメ、省略している。

  • マスの中の表現は分析者の解釈ではなく対象者の発言を入れる。
  • マス目を結ぶ線は交錯させない。
  • ラダーダウン、ラダーアップを意識的にインタビューする。
  • しつこくプロービングする。(若干の誘導)
  • スペック → 機能価値 → 情緒価値 → 最上位価値 のラダーを意識する(させる)
  • 比較させて表現を引き出す。(A社スポーツカーとB社スポーツカーの比較)  → 評価グリッド

などの規則、テクニックがあったと思う。
(セミナー案内ではピラミッド状の図式にしているが、ラダリングは必ずしも1点か2点に収束するわけではない)

このときは対象者、インタビュアーを変えて数回実施したと記憶している。
インタビュー → 中間分析 → インタビュー を数回繰り返した。
さらにエンジニアも同席させて質問があればさせてみた。(対象者が理解できない専門用語もでてきた)
この結果、ライトウェイトスポーツの次世代コンセプトは相当固まったのだが経済・社会状況がスポーツカーそのものを排除する方向に向かってしまい、陽の目をみなかった。

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