コラム

嗜好とマーケティング

ブランディングやブランドロイヤルティなどの概念は「消費者の嗜好性の獲得」と言い換えられる。
嗜好性は「消費における認知や行動の個人の偏り」と定義できる。
ブランドのイメージ・評価・購入において優位に差異化し、それを消費者の嗜好として継続させることがブランディングやブランドロイヤルティである。
もっと言うと嗜癖(アディクション)の獲得がマーケティングの最終目標になる。
アディクションとは習慣性、中毒性、依存性を持つ嗜好のことであり、極端なものは疾病として扱われる。
麻薬はもとより、アルコール依存症やギャンブル依存症はマーケティングではなく医療のジャンルになる。
体(健康)に良くないと思っても「時々、むしょうに食べたくなって食べるマックやカップヌードル」などが嗜癖に近い嗜好性を獲得したものである。
もちろん、嗜癖を目指して商品開発されたのではなく結果としてそうなっただけである。
 (もし、嗜癖を目的に開発したのなら、それは悪魔のマーケティングになる)

 マーケティングで嗜好性を活用するためには、測定法を決定する必要がある。
 嗜好の特性として、

  • 個人的である(集団は指向性になる)
  • 持続的である
  • 理由、きっかけは自覚的と無自覚の場合がある
  • 突然変化する(成長・老化過程、環境変化)

などが考えられる。
さらに飲食品(味覚)の嗜好は、

  • 感覚評価と別次元である(おいしいが好きではない。おいしくないが好き)
  • 五味、五感の統合感覚(多感覚)である(眼窩前頭皮質が司る)
  • 理由や作用機序が自覚的な場合と無自覚がある
  • 少し、インモラルを感じる方が嗜好性が強い傾向がある

などの特性があると考えている。

嗜好研究の第1弾として「おいしさと嗜好」セミナーが11月6日に開催されます。
ぜひ、ご参加を。

 

 

2019.10

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