コラム
人口オーナス社会でのリサーチ
2011.8.27の日経にユニチャームの高原社長がが今後は利益の6割を海外でめざす。と言っていた。
ビール各社は円高のせいもあって海外メーカーの買収に熱心である。
今までドメスティックと考えられてきた食品産業がどんどん海外にシフトしている。
1人当たりのGDPはまだ中国に勝っているとはいえ「人口オーナス」の圧力が大きい日本市場でのこれまでのような成長は望めないということであろう。
こういった環境でリサーチ(業界)はどうなっていくのであろうか。 
業界でみると、大手のリサーチ会社はすでに中国、アジア、(インド)への進出は済ませているようである。
ではリサーチャーは海外進出できるのだろうか。
結論から言えば、「不可能」である。 
理由は、 
- 言語の問題がもちろんあるし、
- 生活習慣や文化的背景への共感的理解が獲得できない
- データ収集(工場)や分析手法(生産管理)での優位性はない(Webで世界共通になっている)
の3つである。 
        リサーチャーの仕事は現地の人を教育してやらせる方が合理的である。
        リサーチ会社でリサーチャーの仕事がなくなれば、残るのは教育とマネジメントだけである。 
        以上から、リサーチ会社は海外進出できてもリサーチャーはできない。となる。
        日本のリサーチャーは縮小する国内マーケットを相手にするより他ない。
 人口オーナスの圧力の中で海外進出という選択肢がなさそうなリサーチャーはどうすればよいか。
        マーケットの見方、消費者の見方、リサーチの方法論を見直すことが第一歩であろう。
        思いつきをいくつかあげてみる。
<マーケット>
- 異種格闘技状態の競合関係が激しくなる。(ジャンルという概念が弱まる)
- 韓流から華流、越流、印流など川が何本も流れるようになる
- シニア市場が立ち上がる(数年前のアクティブシニアではない)
<消費者>
- 巣籠りが常態化する
- Web派とリアル派が分離する
- 「最後の花火」消費が生まれる
<リサーチの方法論>
- 仮説検証型から発見・提案型へ
- 物語としての報告書
たいしたことを思いつかなかったが、人口オーナスを前提としたリサーチ、マーケティングを考えて行こう。
2011,8



















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