コラム
ロングセラー商品とコーホート分析
不況になるとロングセラー商品が話題になるような気がする。
3月末のWBSでは「復活(リバイバル)商品(ブランド)」がいくつか取り上げられていた。 
ロングセラーはマスコミ用語らしくマーケティングの教科書には出てこない(ことが多い) 
当然、定義らしきものはないので勝手な定義をいくつか試みてみる。
 ①メーカーが終売の意志決定をうっかり忘れていた商品=ブランド 
        ②創業者やその親族が発売したた商品なので止められない 
        ③ブランドポートフォリオでベストの位置を占めている(金のなる木?) 
        ④適切なマーケティングコストをかけ続けた 
        ⑤コーホート効果が表れた 
その他にも思いつきそうだがこの辺で。
        マーケティング上最も優秀なのは③である。
        「市場全体は停滞気味で新規参入のうまみがなく、競合相手の多くは撤退し、自社シェアは高止まり、新たなマーケティングコストをかけなくても安定的な利益を生む。」というのがかつてボスコンが提案したブランドポートフォリオ
        の「金のなる木」の定義である。
        概念的にはよくわかるが、マーケティングの現場からは「ありえん!」という声が聞こえてきそう。
        「金のなる木」に金を実らせ続けるには細心の市場観察と適切なマーケティングコストが必要であろう。
        ④の要素なくして③は成立しない。
 ①は冗談だが、世の中には冗談のようなロングセラーはいくつかありそう。
        ②はマネジメントの教科書では「会社を傾かせる」ひとつの要因と揶揄される。
        マネジメントは、不況期はとくに「選択と集中」である。 
⑤はリサーチでも解析しずらい。 
        コーホートのマーケティング的意味は「ある同時出生集団が、ある時期に共通で体験したこと(行動・認知)が、その集団に特有の傾向として、時代の変化(時代効果)や加齢による影響(加齢効果)を除いても残る」ということである。
        例えば、出生数が多く、激しい受験戦争を戦った「団塊世代」は老人ホームでも競争ゲームが好きだ?というような見解
        はコーホート効果のことを言っていることになる。
        食品市場では、子供の頃母親から与えられていた食品・飲料を自分が母親になった時に我が子にも与えるという現象と
        して表れる。
*数十年前、統計数理研究所の中村さんが「ベイズ型コーホートモデル」を提案され、そのモデルをSCIデータに 適応したら、3品目でコーホート効果が析出されました。
2010,4



















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