コラム

ブランドのモデレーション

FGIのテーマには必ずと言っていいほど「ブランド」が絡んでくる。
ブランドのモデレーションについて注意点をいくつかあげる。
ブランドには、企業ブランドと製品ブランドがあるが、ここでは後者をとりあげる。
FGIでとりあげるブランド価値は、以下の4つの構成要素に分解できる。

   ① ブランドの名前、ネーミング
   ② パッケージ
   ③ なかみ、内容
   ④ コンセプト

ネーミングはブランドの根幹をなすものでブランドをブランドたらしめるコアである。
FGIでの留意点は、固有性、インパクト、共感性、覚えやすさ、わかりやすさ、整合性である。
他から区別させる必要があるので、似ていない名前で、印象に残る必要がある。
固有でインパクトがあっても突飛過ぎると共感性がなくなる。
共感性と憶えやすさは相乗効果ある。基本は短い名前である。
ネーミングが良くても中身と違い過ぎるネーミングは失敗である。
食品には食品のメカ商品にはメカ商品の整合性のある名前がある。

パッケージは、ネーミングと絡んでロゴデザインが重要要素である。
紙・木、金属、ペットなどの材質と大きさ(サイズ)を含めた形・フォルムがブランドと整合するかがポイントだが、素材メーカーの都合で制約されることが多い。
表面処理であるデザインでは、まず、ロゴのデザインに注目する。
標記の文字(漢字、ひらがな、かたかな、アルファベット、絵文字)とそのデザインの目立ち度合と全体整合性のバランスがチェックされる。
デザインとは線とそれに囲まれた図形と色で構成されるので、それ別に分析する。
図形ではアイコンとなる力があるかどうかも重要である。
アイコンは図や絵とは限らないことに注意する。

中身は、素材、加工度(法)、機能、性能、使用性などである。
どういった素材をどのように混ぜたり、加工することで、こういった機能を発揮できる。
また、こういった機能の性能がアップするということが差別的い訴求できるか。
使いやすさ、使いシーンなども重要である。
機能は高機能の他、多機能性も重要である。

以上の要素を総合し、最も強調した要素を上位概念で表現したものがコンセプトである。
コンセプトは、インパクト、共感性があって、他ブランドとの差別性(優位性)が重要である。

以上は、消費財ブランドを中心に述べたが、いわゆるサービス商品も同様に分解できる。
企業ブランドには、有名性、信頼性、伝統などの要素が加わる。
企業ブランドは、信頼性や耐久性(耐久財)の価値に結びつく。

ブランドに関するモデレーションでは上記のことを意識すれば完璧といえる。

2015.12

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